しまなみ日帰りポタリング
今年のゴールデンウィークは自分で計画してツアーをするつもりがなかった。まあそれは社会人になったからとかそんなんじゃなくて。ランドナーが整備できてなかったのも一要因ではある。この年になるとコバンザメの如く、現役が行くツアーにちょこっとついていくというのが楽なので(去年もそうだったしね)そうしようかな〜と思ってたらツアーに行く連中がいないっつーことだからまあえっか、自分なりに楽しむとしようかという次第である。
さて、とはいうもののどこに行くか?である。自分なりに楽しく過ごすとすれば日帰りでどっかに行くのが適当であるなぁ。高縄山にでもいこうかなぁとか思っていたのだが、みどりの日にガバチョに
「パトさん、1日にしまなみに行きませんか?キャプさんも行くんですけど」
と声をかけられた。この時点で行こうかなぁと思っていたが、俺はついつい思わせぶりな態度をとってしまったのである。なぜならば北条市の文化の森公園に9時集合というではないか。早っ!
「行けたら行くわ」
そうとだけ返事をしておいた。キャプからも、とある掲示板を通して声をかけられた。行くんなら連絡を頂戴と言われたのだが、俺がこの掲示板を見たのが1日の午前1時だったので、返事は朝にしようと思って寝た。
朝7時過ぎに目覚ましがけたたましい音で俺を起こす。眠い目をこすりながら準備をはじめ、8時前にメールでキャプに、『今日いくで〜』という連絡をしておいた。するとキャプから電話がかかってきて少し話して、じゃあまた後で!ということで切った。あとでわかったのだがキャプは俺のメールで目が覚めたらしい。
我が家から出撃!8時10分くらい。荷物はすべてウェストバッグに詰めた。ちなみにガバチョには俺が行くことは連絡していない。ひょっとしたら文化の森公園に行く途中で会うかもなと思いながらのんびりと走った。35分程度走って文化の森公園に到着。キャプはもう着いていた。キャプのロードレーサーを初めて見た。カーボンフォーク+カーボンバック!!カッコいいやんけ!!ガバチョはまだ来てないようだ。こりゃひょっとして遅刻かい?と思っていたら、いかにもって格好をした男が来た。俺がいることに驚いているようだった。行くっていってなかったからな。少しばかり談笑をしてから目的地を定めて出発した。ちなみに目的地は大三島である。それ以上行くと日帰りはキツイ。
ガバチョペースでズンズン進む。速い。さすがはみんなロードレーサー。普通に話しながら時速32キロくらいだった。まあ前半なので体力も有り余っている。俺も全然平気。天気もすごくいいし、海沿いも気持ちよく走れた。サイクリング日和であった。さて、今治市内に入って、変な看板を見た。
《パーマ・入院道具》
何の店やねん!!あきらかにぼろっちい看板だったのでもうやってないんだろうけれど、怪しかった。赤信号で止まったときに、ヘルメットを被って自転車で布教活動をしているどこぞの宗教の方2人に声をかけられた。「かっこいいヘルメットですね〜」と全くそういう気持ちも入ってない声でこちらに声をかけてきたのである。お前らのヘルメットのほうが新しくてカッコいいだろうが!と心の中で思いつつもどうやってこいつらから逃げるかを考えていた。「走りながら話を聞いてもらってもいいですか?」と言われたが明らかに俺らのほうが速いので(向こうはママチャ)、さっさとちぎった。
さて、いよいよしなまみ海道に入る。俺はしまなみ海道は車で下まで来て歩いて少し行ったことしかない。チャリで走れることがとても嬉しかった!行く途中でロードのカップルやレンタサイクルの方たちとか、そういう人といっぱいすれ違う。面白い!!橋からの風景もとても綺麗!海峡と島々をつなぐ橋と海風がさわやかな感じであった。そしてこの瞬間、俺たちもきっとさわやかだっただろう。
大島の道の駅に到着!ここで休憩。いろんな自転車が止まっていた。すごいパーツで組まれているピナレロ・プリンスを発見!すげぇなぁと話をしていたら持ち主の方が現れてちょっと話した。埼玉から来て広島側から連休を利用してきているらしかった。ガバチョがロードを持たせてもらったりしていた。軽そうだった。持ち主の方はドランクドラゴンの塚地似の人だった。あのロードの耐重量はいくらなのかちょっと心配になった。以降、この人のことを『プリンス』と呼ぶ(自転車がプリンスだから)
休憩を終えた。もうちょっとしたら昼飯にするっちゅーことにして次の島、伯方島を目指す。伯方の塩で有名な伯方島である。しまなみ海道でいえば、この伯方島は島をほとんど走らなくてもすぐに次の島に行けてしまうようになっている。それにしても大島はアップダウンが多い。まだ元気だからよいが、後半が心配になってきた。伯方島に到着し、道の駅に行った。ここには伯方の塩ソフト・塩アイスがあるのだ!!塩ソフトなんて食べたことがないぞ!どんなのだろうか?
塩ソフトの色は淡い水色をしていて、しょっぱくはない。まあソフトだからしょっぱかったら、ある意味しょっぱいよなぁと思うが。だが塩が甘さを際立たせているのだろうと思える甘さだった。200円で安いし美味しかった。それにしてもこの道の駅にはあちこちにチャリが止まっていた。レーサージャージ軍団をよく見かける。俺らはレーサージャージじゃなく、あくまで爽やかさで勝負しているのだ。
ここでまたもや『プリンス』を発見。ここでは話かけなかった。
それにしても女性のチャリダーが多い。傍目から見ても自転車でのポタに彼氏を巻き込んだとしか思えない二人組みなどをちょくちょく見かけた。男性のチャリのパーツは〈SORA + 普通のペダル〉に対し、女性のチャリのパーツは〈ULTEGRA + SPD-R〉だった。うーむ、すごい。このカップルの女性がGIOSに乗っていたため、我々は勝手に彼らのことを『GIOSカップル』と名づけた。
腹が減っていたのでご飯にしたかったが、この道の駅は食堂がめちゃめちゃ混んでいたので、せっかく伯方島にきたのだから伯方の塩ラーメンを食べに行こうぜ!!ということになって、目的地には遠くなるが寄り道でラーメンを食べに行った。ここに行く途中で、我々の今回の目的は『伯方の塩ラーメンを食べること』にすりかわっていた。まあよかよか。お次は行く途中の会話。
ガバチョ「ガッバッチョッのッシオ!!」(伯方の塩のCM風に)
俺「それって汗だよね」
伯方の塩ラーメンを食べるのは初めて。日本一おいしい塩ラーメンを目指しているということで、本当にラーメンは美味しかった。まさか細麺だとは思わなかった。お店の中はチャリダーやライダーがいっぱい来て賑わっていた。やはりGWだからそういう人が多いのだろうなぁ、自分らもその一員だし。3人とも満足して店を出た。
大三島に行くには遠回りをしたために戻らなければならないのだが普通に戻っても面白くないのでトンネルのある道を選んで走った。トンネルを使ってるとはいえ、かなり登った。食後にはきつかった。伯方島から大三島に行く途中の橋からの風景が綺麗だった。ここで記念撮影。
結構グネグネした道を走り、ついに大三島に突入!ここの道の駅の《しあわせの鐘》を鳴らすことがキャプの目的だったらしい。この鐘は『一人で鳴らせば一人のしあわせが、二人で鳴らせば二人のしあわせが、みんなで鳴らせばみんなのしあわせが約束されます』みたいなことが書いてあった。一人のしあわせってなんだ〜!!一人のしあわせはなんだか縁起が悪そうだったので3人で鐘を鳴らした。みんながしあわせになりましょう!?
その後、多田羅大橋をバックに撮影。多田羅大橋でかっ!!
そういえば写真全部の中心がガバチョなのはなんでだろう?不思議。ガバチョの下半身は全身タイツ風レーサージャージです。ひとりだけちょっと浮いてる?いやいやそんなこたぁ、ある!!
売店近くに移動してチャリを止めていたら『プリンス』に遭遇!!声をかけられた。どこ行ってたの?と言われて塩ラーメンを食べに行ってたとかそういうことを話して、塩ラーメンを薦めといた。美味しかったから。じゃーねといってピナレロに乗っていく『プリンス』を見ながらガバチョが「チャリがかわいそうですよね」とつぶやいた。余計なお世話かもしれないが、もっと体重を落とすべきだろうなぁ。
間食をしていると香川大学の化猫のお兄さんに会った。ガバチョは親しいので話しこんでいた。ある程度話してから展望台に登った。多田羅大橋がより近く見えた。景色もいいし、気持ちよかった。
さて、そろそろ帰らないと時間的にヤバイ。現在15時ちょっと。普通に帰っても日が暮れるのは必至だ。しあわせの鐘も鳴らしたし、帰るべ帰るべ。ガバチョのペースで帰る。この帰りが俺にとっては地獄だった。途中までは大丈夫だったが、ペースが速い。速すぎる。登坂で時速20キロ出してるのに置いていかれる。ガバチョとキャプ、この二人が速いのは知っているがそれでもヤバイ。足の筋肉がキテいる。置いていかれないようにするだけで精一杯だった。大島まで戻るだけでもうすでに俺のガソリンはなくなった。あとは騙し騙し帰るしかない。休憩した直後の来島海峡大橋を登るだけでもうすでにペダルをうまく回せなくなっている。平地になるとスピードがのるので速くなるから休憩もできず、ただ、ついていった。いまだに今治だというのに、松山まで戻るというのが果てしなく遠く感じ出した。四国に戻ってきて、コンビニで休憩してアンパンと牛乳を補給。こういうピンチにこそアンパンである。アンパンマンが出てきたら容赦なく顔全部を食べていただろう。ジャムおじさん、あとはまかせた。
その後のペースは俺のペースを気にしてくれてはいるがやはり速く、これ以上出せるか出せないかのギリギリのラインでスピードを出し続けた。なんというのだろう、これ以上出したら、回復するのにどのくらいかかるかわからなくなるっていうギリギリの感じ。ある意味、生き地獄である。
もう夜になってしまった。日が暮れそうなときにご飯を食べることになって、キャプのオススメのウナギ屋に行った。3人でウナ重の特選を頼んだ。スタミナをつけないとやばいぜ!!
このウナギは特選というだけあってめちゃめちゃ美味しかった!!もちろん値段もすごかったが。やはりウナギはスタミナが甦る。うな重を食べて本当によかった。キャプ、ありがとう。
そして日が暮れた後も走り出す。北条市の途中で、キャプと別れてガバチョと帰る。松山市に突入したがまだまだ遠く感じる。家に到着するまで帰ってきたということが信用できなくなっていた。街のほうまで帰ってきてガバチョと別れてやっと家に到着!!やっと帰ってきたぁ!!って気分。
ちなみに走行距離は180キロ以上あったんじゃないだろうか?こんなに走ったのは久しぶりすぎて楽し苦しかった。このページを書いているのは翌日なのですが、足の疲れがまだ残ってます。でも筋肉痛ではないので俺もまだまだイケるな!?でも今度はゆっくり行きたいっす・・・。