石鎚山に行こう! 三日目
土小屋で泊まった。ご飯を作っていると朝日が昇り始めた。とても眩しくて、とても綺麗だった。少ししてから愛大のワンゲルの人たちが来た。朝早く石鎚山を登っていたのだろうか。土小屋の休憩所にザックを下ろして軽い荷物を持ってどこかに出掛けていった。ご飯を食べ終わってから、今度は登山部と思われる高校生の集団がきた。俺たちが変なテンションで出発の準備をしながら話していると、その登山部を迎えにバスが到着した。そのバスには『○通寺第○高等学校』と書いてあったのだった。そのとき、フェラーリは言った。「母校かよ!!」と…。そう、それはフェラーリの母校であった。今の今までバカ丸出しのハイテンションで話と準備をしていたのがまさか後輩たちの前であるとは。そんなこんなで登山部の顧問の先生がフェラーリに話し掛けてきた。フェラーリはなんか見たことある気がしますといっていた。まさかまさかの事態であったのだった。
そしてフェラーリとはここでお別れであった。なぜならばフェラーリは面河に車を置きっぱなしにしていたからだ。我々は瓶ヶ森を通って寒風山に行き、そして国道11号を通って帰るつもりであった。フェラーリよ、さらば。そういうわけで我々も準備をしてから出撃したのだった。目指すは瓶ヶ森である。瓶ヶ森はこの旅で自転車で行ける所では一番高い場所なのだ。出発してすぐにめちゃめちゃしんどくなった。まくべぇのペースが異常に速いのだ。テント2発積んでいるのに、なんちゅー速さ。俺は時速7〜9キロくらいで進むと思っていたのだが、まくべぇは時速9〜14キロだったのだ。それに合わせるために回転を上げたので早くも息があがってしまう。まくべぇがセンターのローギア寄りに対して俺はインナーのローギア寄りであった。ガバチョがラジカセに合わせて歌を歌う。悪いが俺はそんな余裕は全くなかった。厳しい戦いの末、やっと休憩。まっちは「ほとんどフリーのペースですよ。40分もフリーしてたもんですから、こいつバケモノですよ」と言っていた。まろちゃんもしんどそうだった。はっきりいって他の人の様子を見ている余裕がなかったのでみんな平気なのか!?俺だけなのか!?と思っていただけに正直安心したのだったが、いやはや体力の低下を感じた。インナーにしてなかったら途中で絶対にくたばっていただろう。
休憩したポイントはとても景色が綺麗だった。石鎚山も綺麗に見ることができたのだった。そしてその反対側には瓶ヶ森が見えた。瓶ヶ森も綺麗であった。
そういえば、チャリでヒーコラヒーコラ登っているとホラ貝を吹くような音が聞こえたのを覚えていた。そのホラ貝の音はある山から聞こえていたのだが、その山にちょこんと小さな家というか小屋というか。そんなのが見えたのだが、果たしてその小屋までどうやっていくのだろうか?見えるのは断崖絶壁。階段らしきものはないのだ。すると、良く見ると、んんん〜!!
く、鎖なのだろうか…。うーん…。まさかあの小屋まであの高さを鎖で登るのだろうか…。これはまさに謎である。しかし修行僧や山伏だったらありえる話である。どうなっているんだ!めちゃめちゃ気になるのだった。
休憩が終わり、もうちょっと登るとずっと下りになったのだが、その直前にどこかのサイクリング部と思われる人達とすれ違った。合宿なのだろうか。男だけの集団だったがすごい荷物を積んでいた。特に一番最後にすれ違った男はまくべぇ以上の荷物だったかもしれない。やるなぁ〜!と思いながら心でエールを送りながら俺たちは下っていった。下ってゆくと何台か車が止まっているところに石碑があるのが見えた。みんなでなんだあれはといいながら通り過ぎようとしたら、その石碑に『吉野川源流』と書いてあった。すると、まろがストップをかけて、これは押さえとこうということでそこで写真をとったり景色を眺めたりしたのだった。まさか吉野川の源流にこんなところでお目にかかるとは。全く予想もしていなかったのだ。
それからず〜っと下り。小一時間ほど下り。途中、風景を撮りによくカメラを携えた車がよく止まっていた。天気がとてもよかったので格好の撮影日和だろうなぁと思いながら、すれ違う人々にこんにちは〜とあいさつをしながら下っていった。このときの俺たちはきっとサワヤカ系集団であったに違いない。下り終わって、寒風山トンネルを通った。この寒風山トンネルは1キロちょっとあるのだが、この区間の間まったく明かりがない。フォーカスがなければまったく何も見えない。そのフォーカスもLEDでは光が白過ぎてあんまり前が見えない。前の人を照らしながら進む形となった。こういうときはハロゲンライトのほうがいいなぁと思う。まあハロゲンは点灯時間が2〜4時間と短いのが痛いところだが。暗いけれど声がよく響く。こういうところではストームをすべきポイントであり、俺も現役のときはよくトンネルでストームしたものだ。というわけでまくべぇ隊長のストーム!!さすがにトンネル。よく響く。そしてガバチョもストーム!!いやぁ。いいですなぁ。若いですなぁ。ガバチョは同い年だけど。
寒風山トンネルを抜けたところで水を汲んだ。ここはトンネルの脇に湧き水があり、その水がおいしいらしい。ツーリングマップルにも載っている。早速飲んでみるがたしかにおいしいしよく冷えている。トンネルの出口付近だからか、トンネルの向こう側から結構強い風が吹いてくる。これが寒風山といわれる所以か。そう思っていたが、出発して下りながらよくよく考えてみると昔はトンネルはなかったんだから関係ないか…と考えを改めたのだった。またまたズンズンと下ってゆく。
ずいぶんと下って、うちの部の夏合宿の集合場所になる西条の河原が見えてきた。すると、加茂川に鯉のぼりがかけられていた。休憩もかねて止まった。
鯉のぼりも風がなくなっていて微妙な感じだった。捕まえることもできるほどだった。さらに鯉のぼりの一つが隣の鯉のぼりに絡まって破れていたのもあった。こちらからみるとまるで共食いである。凄まじい光景であった。
そしてみんな腹が減っていた。さらに2日間お風呂に入ってなかったのでお風呂にも入りたかったのである。どっちを最初にするかということで話し合うが、どっちも優先したいということで、とりあえずコンビニがあったらそこでご飯、風呂が先にあったら風呂ということにした。するとあっという間にコンビニを発見。早速昼飯である。米の量がたりなかったのでコンビニでアンパンを買って食べた。その後に石鎚温泉にいった。2日間風呂に入らないというのは久しぶりの体験であったのでお風呂の存在がありがたかった。ドップリと風呂に浸かり、疲れをとったのだった。う〜ん、気持ちよか〜。
その後、11号線を走りつづけた。ガバチョが眠いといいながら桜三里に突入。水のなくなったまっちに対して「水をやるから意識くれ!!」と言っていた。なんだかんだいってふらつくこともなく走っていたのではないだろうか。松山市に入ってからは、やっと戻ってきたなぁとかどこから戻ってきた感じがするかとかそういう話題であった。そして無事にボックスに戻ってくることができたのだった。とても楽しかった3日間であった。打ち上げは焼肉食べ放題に行き、めちゃくちゃ食べまくったのであった。