佐田岬ツアー またの名を 一人夏合宿
〜3日目(前編)〜

5時半くらいに目が覚めた。本日は今ツアー初の自炊で朝が始まる。とはいっても、一人なのでおかずはレトルトというか、卵スープ(お湯に溶かしたらすぐできるやつ)なので、問題はご飯である。久しぶりにコッヘルで炊くご飯。果たして、うまく炊くことが出来るだろうか…。そんなことを考えながら、今日はどこにいこうかと考えながら、米が炊けるのをじっと見守る。俺は部に在籍した頃、料理班長だったため、米炊きには少々うるさい。現役の頃は米炊きに関しては他の人間に色々言ってきたクチであるので、もし自分が芯飯なんぞ炊いた日にゃあ、格好がつかないではないか!?そんな考えは杞憂であり、自称米炊きマスター(コッヘルに限る)の俺の米炊き術はここで完全にスパークした。見よ!このおいしそうなご飯を!!

蒸らしまでカンペキな仕事をしてある極上のご飯(褒め過ぎ)

ちなみに4合炊いたので、朝に2合・昼に2合計算である。ドラえもんタッパーに米を詰めて、残ったご飯を朝飯として食べる。うむ!極上のご飯だ!!ベチャついているわけでもなく丁度いい感じであった。さすがは鳥取県産コシヒカリ&俺の米炊き術とのコラボレーションであった。

そして出発の準備をしていると、公園を掃除にきた人に声をかけられてしまった。

おじさん「ここは自転車進入禁止なんだよ。わたしゃここの管理人なんだけどねー!」
俺「えっ!!そうなんですか!!」
おじさん「ひょっとして泊まっちゃった?
俺「と、泊まっちゃいましたけど…
おじさん「そうかー…。まあ、いいや
いいんかい!!ここまでいっといていいんですかい!!
その後、おじさんはここはよく泊まっていくチャリダーが多いということ、そしてそのときのチャリダーがマナーが悪くて汚くしたまま出発していったこと、そしてその連中はサイクリング関係のサークルに入っていたらしいこと、さらにそのチャリダー連中は東京の人達だったらしく、都会バッシングを続け、最終的にはアメリカ人が泊まっていったときにゴミを残さないように出発してほしいことを伝えるのが非常に困難だったことを俺に告げて、ゴミを残さないようにと言って掃除を続け始めた。はっきりいって、話が長かった。アメリカ人の話のときは面白かったけど。

ちなみにこの公園は『王子の森公園』という。どこらへんが王子なのかはサッパリわからなかったが、なぜかSLの模型が置いてある駅であった。しかし、この看板には納得がいかなかった…。

SLの模型である。 なんで松山飛ばして高松やねん!!

とりあえず、宇和島は納得がいくのだが、なんでいきなり高松なんだ!?松山はないのか!?松山は!?次の駅は高松ってどういうことじゃー!?意味がわからないところであるが、突っ込まないと気が済まなかったのであった。

ここまで書いて、未だ出発していない俺である。とりあえず、キチンとゴミを出さないように掃除をしてから、ゴミを捨てるためにコンビニまで行って、それからツーリングマップルを眺める…。今日はどうしようかな〜…。宇和島方面へ直行するか、それとも海岸線沿いに走ってみるか…。…そもそもこのツアー自体がのんびりしたものにしたいんだから、海岸線沿いをダラ〜っと走ってみるか!!ということにして、海岸線を走り、八幡浜→三瓶町→明浜町というふうに走ることに決定。7時半前に出発した。出発して15分もたたないうちに峠に突入。いきなりインナーに落としてシャカシャカと走る。そこまで長い峠ではなかったのであっさりと終わり、これを下ると海岸線沿いである。佐田岬半島がよく見える。時速20キロくらいでのんびり?と走る。こちらのほうが国道であるにも関わらず(宇和島へのショートカットは県道)ほとんど栄えていない。時々、集落がありそこにこじんまりとした商店がある程度である。ちなみに車線も1.5車線と狭い。その割には結構車が通り、対向車がくるとかなりキツイ感じがした。トラックがきたときはさすがに道の端で止まって道を譲った。それにしても、海岸線沿いはゆったりとしていて気持ちいい。町があっても、のんびりとした雰囲気を感じる。気ままな旅を続けている俺の心は寅さんのようであった。

漁村である。いかにも漁村ってのがイイ!!

にしても、ずっと走りつづけていると確かに風景は綺麗だが、色々と考えてみるものである。頭の中で、はなわの『佐賀県』が流れ始めた。

S・A・G・A 佐賀!! S・A・G・A 佐賀!! 江頭も佐賀〜! 公表するなー!!
すると、なんか替え歌できんかな〜と思って頭の中で色々と模索するようになった。

佐賀県 〜佐田岬ヴァージョン〜
S・A・D・A 佐田!! S・A・D・A 佐田!! 定岡正二もサダ〜! 最近見てねぇ!!

なんかシックリきてしまったのでここで歌詞が止まってしまった。いやいや、待てよ。俺が最近見てないだけで、他の人は見てるかもしれない…。そんなことを考えていながら走ると、LOOKのロードの人とすれ違った。おおー!ここにもチャリダーがいるのだな!?気分よく海岸線沿いを走り続ける。頭の中はずっと佐賀県が流れていた。不思議だ。しかもある程度しか知らないので適当に流れていた。佐賀にも〜 やっと佐賀にも〜 牛丼屋ができた〜♪

結構走ったら、須崎観音という看板があった。マップルにも載っていた。通り過ぎようと思ったのだが、今日この道を通ったからこそ見ることが出来るのではないか!?という考えが頭をよぎり、急遽行くことにした。一瞬ためらったのであるが、それはなぜかというと、入り口から激坂であるからだ。インナーロー寄りにしてから登る。回転を維持しながらワッセワッセと登る。すると前から中年夫婦が歩いて下ってきていたのであいさつした。すれ違ってから、奥さんのほうが『あの人、やるねー!?』と言ってるのが聞こえたので『ふふん!?やるだろー!?』と思っていたら、奥さんの発言の意味がわかってきた。この激坂、結構長いな… ハァハァ… っていうか、どこまで続くん… もうすぐ海じゃないん… ハァハァ… そう。この坂は長かった。俺の足が回転を維持するのがしんどくなってきて足にダメージが少し残ったくらいで激坂は終わった。呼吸は乱れていた。とりあえず、ゆるやかな登りになったのでのんびりと足を回復させながら走り、須崎観音に到着。結構立派な感じで、観音様が佇んでいた。お賽銭を入れて10個ぐらい頼みごとをした。多いだろうか?

須崎観音の前での一枚。

たまたま寄ってみたものの、結構よかったなぁと思いながら、三瓶町の町を目指す。普通に町っぽかったけれど、止まる理由もなかったのでとりあえず走りつづけた。今度は海岸線沿いにある魚霊塔を目指す。海岸線沿いだけあって、アップダウンの連続。初日からずっとアップダウンと戦い続けているのであった。海岸線沿いなので風景が開けていてとても綺麗だった。そして魚霊塔の入り口にきた。ここも入り口は坂だったが、大したことはなかった。魚霊塔に到着。早速写真をとった。

魚霊塔である。鎮魂のための塔。

この魚霊塔は左右の大きな石柱が7つの海を示し(左側が太平洋とかで右側がインド洋や大西洋だったと思う…)、真ん中の丸い石が人間の心の海を表していて、そしてこの画像では見えないが、台にちりばめられた小石群が海に存在する生命を示し、左右の石柱との間にある空間はうろ覚えだが魂の行き来する道を示していたような気がする。最後の左右の石柱の空間だけは自信がないなぁ…。そういうことの説明書きが書いてあった。拝んでからウロウロと歩きながら塔を見て、休憩してからまた走り出したのだった。

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