佐田岬ツアー またの名を 一人夏合宿
〜3日目(中編)〜
魚霊塔を後にした。空模様がだんだん暗くなってきている。朝から降水確率はあまりよくなかった。ひょっとしたら、そろそろ降りだすかもしれないなぁと思いながら走る。出発直後はアップが続いた。かなりヘアピンが連続していた。だんだん登っていくのでしんどかったけれど、そのぶん風景も綺麗だった。
アップが続いた。大崎鼻という看板があった。入り口からして、あきらかにすごい下っていた。寄ろうか…どうしようか…ということを考えるが、もうこうなったらとことん寄り道してやるぜ〜雨なんて知るかコンチクショー!!と思いながら胸の前で十字を切って下り始めた。だんだん細くなってゆく道。すると激アップ!!うあ゛ー。インナーローでシャカリキにもがいた。到着!!小さな灯台があり、展望台のほうにチャリごと行ってみた。うわー、水平線…。すげー…。和歌山県の串本の潮岬で見た風景を思い出した。
この直後、雨が降り出した。なんだとー!急いでカッパを着て、大崎鼻を脱出。一気に空が暗くなり、土砂降りと化した。ずっと登りだったので緩やかな下りに入る。ブレーキシューがどんどん削れてゆく…。ブレーキに気を使いながら、アップダウンを攻めてゆく。しかし、なんちゅー土砂降りやねん…。登りがサウナ状態と化す。1時間くらい走ってるとずいぶんと雨がやんできた。海水浴場みたいなところに来たのだが、結構人がいた。さっきまで土砂降りだったのに、ずっと泳いでたのか!?この人達!!さらに、この近くに温泉の看板があった!!うおー!風呂!!入りたい!!しかし…。
まだ昼飯も食べていない時間である。風呂はやはり夕方に入りたいものである。ここで入ってもどうせ寝る前には汗まみれになってしまうだろう。まだまだ先に風呂あるだろー!という安直な考えで通り過ぎる。海水浴場のイイ風景を見ながら走り、やっとのことで昼飯を食べられそうなポイントに到着。さて、問題はここからであった。宇和島に行くか、宇和町に行くか、である。宇和島に行けば、明日は帰るためにどこにも行かずに走り続けるか輪行するかという2択を迫られる。宇和町のほうにいけば、帰りは余裕だろうけれど、見所が宇和町だけである。大洲のほうとかは行ったことがあるから俺の中ではどうでもよかった。内子町のほうなど、なおさらであった。南予のほうはあまり行ったことがなかった。正直、宇和島に行ってみたかったのであった。だが、輪行すると金がかかるし…。う〜ん…。という風にマップルを見ながら悩んでいたら、おばちゃんが話し掛けてきた。
おばちゃん「どっからきたの〜?」
俺「松山からなんですけど、最初に佐田岬に行ってから海岸線を通ってここまできたんです」
おばちゃん「じゃあこれからどこにいくの?」
俺「宇和島のほうに行くか、宇和町のほうに行くか、悩んでるんですよ」
おばちゃん「宇和島ならなんにもないからいかんほうがいいよ〜!?」
俺「え!?いや、そうですか?闘牛場とかみてみたいんですけど…」
おばちゃん「今は闘牛やってないでしょう!?闘牛やってなかったら、あんなところ行っても、ちょっと高い所にあるから少し景色がいいだけで、あとはな〜んもない!!」
俺「う… 確かに…」
おばちゃん「宇和町のほうにいったら大洲とか見るところいっぱいあってええよ〜!」
俺「そうですかね〜… 宇和町の歴史文化博物館には確かに行ってみたいんですけど」
おばちゃん「行きなさいな。ここから車で15分くらいだから」
俺「いや、車で15分っていっても僕はチャリだから1時間くらいかかりますよ…」
おばちゃん「それもそうやねー!あっはっは!!」
そしてそのおばちゃんはAコープで買い物して宇和町のほうに向けて車で走っていったのだった…。豪快なおばちゃんだった。俺もそのおばちゃんが行ったAコープでジャコ天を買って、昼ご飯のおかずにした。おいしかった。おばちゃんの意見も参考にしながら考えて、宇和町に行くことを決めた!マップルで見る限り、明らかに登りであり、そしてこのグニャグニャの曲がり具合はヤバイな…と覚悟を決めた。まだ小雨が降りつづけていた。
道が細くなったり、めちゃめちゃ勾配がきつくなったり… 一体この道はどこまで続くのか…?車で15分と言ったおばちゃんは車だからいいだろうけれど、俺は荷物を積んだランドナー。インナーで走る。雨が止んだ。止んだにも関わらず、カッパや帽子から水がしたたり落ちる。最初はわからなかったのだが、一番キツイところでこれは自分の汗だということに気付いた。
汗の量が尋常ではない!体が熱い!飲み物をぐい飲みして走る。遠〜くにトンネルを発見。あそこまで登るんかい!?グラッときながらも、汗を大量にかきながらも登り終えた…。トンネルに入り、緩やかな下り。そして一気に下りに入る。風が気持ちいい。しかし、汗のかきすぎで体が重い。というか、服が重い。ナイスタイミングでローソンを発見!突撃〜!!
カッパを脱ぐとボタボタと汗が落ちた。やばいって…。搾っておいた。紙パック麦茶とアミノ式を購入。アミノ酸が足りないと思って買ったわけであるが、よくよく考えてみた…。
燃焼系♪ 燃焼系♪ アミノ式♪
燃焼系♪ 燃焼系♪ アミノ式♪
こんな運動 し〜なくてもー♪
ん?ということは… あんまり運動しない人が飲んで脂肪を燃焼させるわけだよな…。つーことは、バリバリ運動している俺が飲むとますます燃焼する→汗だく。なにー!?この驚愕の事実を前にアミノ式をがぶ飲みしたのだった。